前回に引き続き、金井理紗さんのインタビュー記事その2です。
第1回では、理紗さんの経歴やアメリカ大学受験のきっかけについてお話を伺いましたが、今回は理紗さんの留学中のエピソードについて、詳しく書いていきたいと思います。
1日のタイムスケジュールや断片的なエピソードを聞く機会はあっても、4年間を通しての留学体験を聞くという経験はあまりないのではないでしょうか。
私たちもお話を聴いたことで、前よりリアルに、留学生活を描くことができるようになりました。
前回記事:【素敵な人紹介】金井理紗さんインタビュー①(留学前編)
目次
理紗さんの経歴
留学したきっかけ
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留学中の生活
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社会人になって留学してよかったなと思うこと
海外進学に向いている人とは?
海外進学を目指す高校生に向けてメッセージ
留学中の生活
ーでは、受験までのお話を伺うことができたので…渡米します(笑)。ざっくり、留学中のタイムスケジュールや課外活動について教えていただけますか?
私は、大学でのフェーズが3つあったように感じます。最初のフェーズではひたすらアカデミックに専念して、ソーシャライズはあまりしようとしてなかったかな。
そこから、ソーシャライズしようとしてうまくいかなかった第2フェーズを経て、第3フェーズではやっとアカデミック・ソーシャルをともに自分のものとすることができるようになって、DePauwがホームになったって感じでした。
第1フェーズ
大学の初めの頃は、勉強したくて行ったから、勉強を頑張ろうって思ってて。クラスを4つ(中国語・経済・心理・First year seminar)履修して、課されたリーディング課題を全部を端から頑張って読んでました。
今思うと必ずしも全部完璧に読む必要はないんだけど、最初はやっぱりうまい手の抜き方もわからなくてね。
ーどこが大事なのかとかも、最初わかんないですもんね
そうそう。母国語でないリーディングは、いつも周りの生徒の3倍くらいかかって、課題をやるだけで1日が終わってたなぁ。
高校までの自分のアイデンティティって、無意識だったけど「何をやっても平均よりちょっとうまくできる」ことだったっていうのもあって、妥協をしたくなかったんだよね。
でも大学では、時間かけて頑張っても発言が全然できなくて。
特にFirst year seminarは1クラス20人もいなかったから、ディスカッションに参加しないと、リーディングを読んでいるのも伝わらないし、成績もクラス参加に重きが置かれていたから大変だったかな。
言ったことが間違っているのが怖くて、発言できないのがずっと続きました。次こそはしようって思うんだけど、いつも発言しない私が急に発言するのも変かもって思って。
そんな悪循環にはまって余計発言しづらくなっていって…結局そのクラスでは1年間発言できませんでした。
ーもう話を聞くだけでお腹痛くなってきました(笑)。クラスで友達ができたりってことはあったんですか?
その頃は、International students orientationでできたインターナショナル生の友達が主でした。
ソーシャルの面では、最初の頃はすごく苦労が多くて。DePauwの特殊なところとして、80%がグリークシステム(60〜100人ほどの学生が、一つの家で共同生活をしながら活動する学生組織)に加盟しているから、グリークパーティーが頻繁にあって、そういう場でみんなが友達を作ってたんだよね。
私が最初にグリークパーティーに行った時、お酒も入っててナンパも多かったの。その時はそんなことをしたい気分にはなれなくて、一緒に行った友達とはバラバラになっちゃって。1人で部屋に帰った時、すごく悲しくなりました。
それ以降、もう同じ経験はしたくないと思って、週末のパーティーを拒んでいるうちに、留学生のパーティーに参加しない生徒と仲良しになっていきました。
その他のソーシャル面でいうと、課外活動として、ISA(International Student Association)っていうインターナショナル生の集まりに入ってミーティングとかは参加してたけど、それ以外の活動はほとんどなかったかな。
第2フェーズ
その後、もうすこしソーシャル面でチャレンジしたいと思って、1年の冬にグリークシステムの新メンバー加入イベントに参加しました。
結果的に、1つのグリークハウスに入ることで、それまで関わることのなかった多くの女の子と繋がることができました。でも、コミュニティーに入ったあともパーティーの話題が楽しいと思えなくて、ギャップを感じることもしばしばあったかな。
2年になって本格的に同居生活を始めるまでは、コミュニティに疑問を抱くこともあったけど、暮らしていくうちにふと、60人もいる中で全員と均一に深く仲良くなることはおそらく不可能で、そうする必要もないんだなと気づいて楽になって。
だんだん気が合う人も見つかって、後半からアットホーム感が出て来たかなと思います。
ISAでも、コミッティーメンバーとして経費管理などを行なったり、あとはダンスも再開したりして、徐々に課外活動が増えていきました。
スコットランドのエディンバラ大学に半年間留学
留学中に留学?それって必要?って言われることもよくあったけど、私の留学生活の中でエジンバラへの留学は不可欠だったなって思う。
DePauwという狭い空間・コミュニティーで過ごしているうちに、良い悪い、いけてるいけてないの基準がDePauw基準に限定されていってしまって。
1回そこを抜けてエディンバラ大学に身を置いたことで、今までの悩みは小さかったんだなと気づけました。
すごく新鮮だった経験の一つが、ヨーロッパでは私のむちゃくちゃアメリカ訛りの英語がバカにされたことでした。
アメリカンな英語って、英語では「上手な」英語、日本では「かっこいい」英語として評価されるけど、スコットランドでは「Obnoxious(直訳で感じが悪い)」だねって言われて。衝撃的でした(笑)。
今までデポーや日本で当たり前と思ってきたことは、1つの価値感に過ぎなかったんだなあとその場で感じ、今までのストレスや「こうでなくちゃいけない」という無意識的なプレッシャーがリリースされたように思いました。
ー(リベラルアーツ大学は小ささが売りだけど、狭い価値観で固まってしまったり、そこだけを自分の世界だって思いやすくなるんだなぁ。)
第3フェーズ
3、4年次に当たるんだけど、慣れたことや自信が生まれたことで、ソーシャル面もようやく順調になったのがこのフェーズです。
それまでは、DePauwに既存するフレームの中でうまく居場所を見つけなきゃ、という思いがあったけれど、エディンバラ大学への留学もあり、今あるものにこだわらなくていいって気づけました。
例えば、パーティーでしかソーシャライズができないっていう課題にぶつかった時に、頑張ってパーティーに行こう!ってなっていたのが今まで。そうじゃなくて、新しくソーシャライズできる場を作ればいいじゃん!って改革できる発想が生まれたのがこのフェーズでした。
課外活動も一気に増えて、ダンスのインストラクターをヒップホップのクラスがないから作ればいいじゃん!っていう発想で始めたり、とにかく好き勝手やってなんぼという発想になりました(笑)。
ーダンスの動画めっちゃ何回も観ました!!
ありがとう!(笑)、もう1つソーシャル面で大きかったのは、4年生の時にISA(International Student Association)のプレジデントになったことですね。
それまでの自分の苦労した経験と、DePauwのリソースを最大に活用してグリークパーティー以外のソーシャライズの場を企画・運営するのがとても楽しかったです。
留学中の生活を振り返って思うこと
DePauwでの生活を終えて振り返ると、つらい期間が長かった(笑)
本当に行ってよかったの?って思う人もいると思うんだけど、でも今、サルサレッスンの企画を含む様々な活動できているのは第3フェーズがあったからこそだと思ってます。
そして、第3フェーズを経験できたのは、1、2フェーズがの苦労があったからこそだったと思うと、DePauwが最初から自分にとって完璧な環境じゃなくて、むしろよかったって思う。
話を聞くだけでyukaが腹痛を訴える過酷っぷり…笑
次回のインタビュー最終記事では、社会人として働き始めた理紗さんが実感した留学のメリットや、留学の意味について紹介していきます!
2017/07/18 amu,yuka
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