前回ネットワーキングについて話しましたが、それと同時に考えなければいけないのは、そもそも自分は何をやりたいのか、何を武器に生きていくのかということです。これが言語化されていないと周りの人はどうやって助けたらいいのかわかりません。
レアカードになれ
教育改革実践家の藤原和博さんのメッセージです。ぜひこのビデオを見てください。
自分の強みを複数の分野でもつことによって希少価値を高めるというメッセージです。日本の大学ではなくアメリカの大学を卒業した段階で一つの希少価値があります。アメリカのトップ100の4年制の大学(学部)に在学中の日本人は1000人足らずです。(短期留学は除く)日本の大学生は280万人なので、すでに同年齢の0.04%のレアカードなんです。それだけでは足りないかもしれませんが、その経験に勉強で得たもの、特技、人脈などの加えていくことでレアカードになっていくんです。
私の例であげましょう。30年前、アメリカの小売業が日本進出しはじめたころ、英語で日本の不動産契約を説明できる人が本当にレアだったおかげで、多くの仕事が取れました。当時は不動産というのは国内産業であり、英語は必要ではなかったんです。英語を話せる人は大勢いましたが不動産の知識があって英語が話せる人は希少価値があったんです。そしてそういうコンサルを提供できる立場にいたという環境要因が重なったので契約が取れました。
インドのエンジニアおたく学生とのつきあいは任せてください
アメリカの大学生活の特長の一つが寮生活ですね。ではこの寮生活で得た経験をどうやって説明すればいいでしょう。
A君はCS専攻で、同じようなCSおたく同志が集まった大学の寮に住んでいました。就職の面接でほとんど全滅でしたが、ある金融企業の社長に気に入られて入社しました。その会社はアメリカでエンジニア中心の会社を買収しましたが、その人事管理に悩んでいました。
A君はそういう連中とのつきあいには自信があるということで、東京の本社と現地企業のリエゾン役に抜擢されました。多彩の人種との生活体験は企業にとっては貴重なスキルなんです。自分もおたくで、英語ができて、日本人以外のおたくと仲間になれる、というレアカードであり、そういう経験があるということを説明できないとだめなんです。当たり前と思っていることが、ひょっとしたら企業にとって武器になるかもしれないんです。
「メモの魔力」前田裕二
もう一つ自分分析に役立つ方法をご紹介します。前田さん自身がつくった、自己判断の質問集(1000項目)が含まれています。それにこたえていくことによって、自分の人生のテーマが浮かんできます。
私も早速やってみました。大いに得るところがありました。詳しく説明しませんが、私の人生軸です。
すぐ行動しましょう
自分の希望する道、得意なところが言語化されると、次はそれをまわりに伝える作業(ネットワーキング)です。大学のアドバイザー、先輩あたりから始めてください。現役の社会人、留学体験のある先輩がいいと思います。
そうした人との会話が人の紹介、企業名の紹介、推薦書につながります。ネットワーキングの際に注意することがあります。人を紹介されたら、直ちにアクションしましょう。そしてその状況を紹介者に必ず連絡すること。紹介しても、反応がないと、それでその人の熱は冷めます。そして将来、その人から支援してもらうことが困難になります。
そしていざ、電話で話したり、面談が実現した際は、その方にすぐにお礼のメールを出すこと。紹介者にも。
面接後、(その日のうちに)フォローアップのメールを出すのは当たり前のようですが、実行する人は少ないんです。こういう当たり前のことができる人は5%ぐらいです。すぐ行動を起こせる人は、似た習慣のある人とはつきあいますが、そうでない人とはつきあいません。
ネットに掲載されていない情報を探すには
インターネットの力は確かに凄いですが、こういう人脈の力はそれ以上に強いことに気が付いてください。インターンシップについてよく相談を受けます。どうやって探しているのかと聞くと、たいていはネットで調べていますと答えがあります。
でも会社側の立場にたってみてください。大手であればあるほど、へたにネットに掲載するとその対応で大変なことになります。以前大手消費財メーカーがインターン学生募集は社員・知人の紹介だけで行っていました。私の紹介で5人の学生がお世話になりました。そういうことがよくあります。
今年もあるコンサル企業に2人のインターンが紹介を通じてお世話になっています。採用側もネットに情報を載せることが必ずしもいい結果につながらないことを知っているんです。ぜひ挑戦してみてください。(続く)
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