こんにちは。natsumiです。
今回も昨年の夏に開催した、Class of 2021シェアブロメンバーによる『大学生活を振り返る座談会』をレポートしていきます。同じ大学の4年間を振り返っても、前回と参加メンバーが異なれば、飛び出すエピソードが異なる!ということで、今回もさまざまなリアルな体験談を聞くことができました。
目次:
前編(受験期〜大学生活)
- 海外大受験のきっかけ:文化への興味 VS 日本とは異なる教育システム
- リアルな大学生活:授業の毎日は、思ったより味気ない。
後編(4年間の振り返り〜将来について)
- 留学をして得た、交渉力やレジリエンス
- アメリカに住んで学んだ、多様性や人間関係についての視点
- 未来の話:向こう5年は何をしている?
- おまけ:卒業した今、高校生に学部留学を勧める?
参加者プロフィール
名前、卒業校名、専攻、現在の活動/今後の予定(卒業直後、2021年夏時点)
ゆうや
- University of Toronto (Beloit Collegeから編入、東大中退)
- コンピューターサイエンス専攻
- University of Pittsburghで博士課程(Intelligent Systems)所属:テーマはAI技術の教育分野への応用
しゅん
- University of Michigan
- 分子細胞生物学、コンピューターサイエンス専攻
- Cornell UniversityでCell Biologyの博士課程:テーマは癌細胞の増殖や転移メカニズムの解明
ゆうき
- Stevens Institute of Technology
- 化学工学専攻
- OPTを使い、ニュージャージーで化学系の企業に勤務
まこ
- George Washington University
- 国際関係学、人類学専攻
- コロンビア大学ティーチャーズカレッジで教育人類学修士課程を開始
かんたろう
- DePauw University (3.5年での早期卒業)
- 経済学専攻
- 東京でニュース記者として活動(東京オリンピック、経済政策を取材)
あむ(進行)
- College of Wooster
- 哲学、コミュニケーション専攻
- Class of 2021の12月卒業のため、今回は学生の立場から司会を担当
海外大受験のきっかけ:文化への興味 VS 日本とは異なる教育システム
Q. まず、高校時代になぜ海外大に行こうと思ったのか、どんな受験だったのかを教えてください。
しゅん:僕は高校一年の時に交換留学でアメリカのボルチモアに行って、とにかくその一年が楽しかった。日本とアメリカの大学教育の違いとかではなく、純粋にいろいろな人種の人がいて、友達を作れてというアメリカの環境や生活に戻りたいなと思ったのがきっかけかな。高校で海外大に進学した先輩がいたので、それで選択肢を与えてもらったというのもあるけれど。
ゆうき:俺もアメリカの学校の教育システムとか全く考えてなかったことは同じで、さかのぼれば小学生の頃からアメリカに興味があった。例えば、アメリカと日本の観客野球の様子の違いとかを見ても、何がというわけではないけれど(アメリカに)惹かれていた。大学受験を考える頃には、アメリカしか考えていなかったね。
ゆうや:俺は、高校のときは海外に触れる機会は全くなくて。現役の時は東大しか受験しなかったくらい。東大に落ちて、親の「海外の大学にでも行ってみれば」の一言から、自分が世界でどこまで通用するのかと思ったのがきっかけかな。結局、浪人を経て東大をリベンジした上で、アメリカに行くことになった。進学の理由としては、勉強しに行く、世界が自分が通用するのかを確かめたいだったから、海外の文化とかは興味なかったね。
まこ:人に勧められてという点は、私も同じ。中一から英語を教えてもらっていたアメリカ人の先生に海外の大学行ったら?と勧められたり、毎年3週間ぐらい海外に行くがあったりして、海外大学もあり?と考え出した。
かんたろう:僕はアメリカの文化に惹かれたという最初の2人と違って、アメリカの教育に惹かれたな。日本の高校で黒板ひたすら写したり、大学でも大きな教室で授業を受けたりというのが嫌だなと思ったときに、リベラルアーツを知った。それをきっかけに、元々勉強したかったジャーナリズムがアメリカにしかないという理由も繋がって、アメリカに行きたいと思うようになりました。
北米の大学ってこういう銅像よくあるよね
(写真:ゆうや)
リアルな大学生活:授業の毎日は、思ったより味気ない。自分から動いて理想に近づいた。
Q.(アメリカが楽しそう、教育システムに惹かれたなど、みなさん動機は違えど)想像していた大学生活と実際の大学生活にギャップはありましたか?
まこ:私は入学前、大学ではたくさんディスカッションをしたり、インタラクティブな授業ばっかりかと思っていた。でも大きな大学だから、200人の授業もあったし、ディスカッションも学びがあるというより消化するのに精一杯。毎回感動するような意見聞けるんかなと思いきや、話すのも大変で、しんど、圧倒という感じで、自分が思ってたような「実りのある学び」とは全然違ったなと始めは思いました。
あむ:わかるよ笑
しゅん:僕も一つあるのが、進学前に先輩から聞いた大学生活の話では、課外活動やインターンと授業以外の活動をして、輝かしいイメージとか憧れがあった。でもいざ行ってみると、一年目は授業について行くのが大変で、受け身だった時期。言い換えると、他に何がしたいかを考えるのを怠っていた感じがあった。
日本ではなくアメリカの大学に通ったからといって、履歴書にかけるような輝かしい経歴がついてくる訳ではなくて、自分で考えて動かないと、ただ授業を受けるだけで終わってしまうという焦りは一年目に感じました。
あむ:二年目からは何か変わったの?
しゅん:二年から専攻が細胞生物学に決まってきたのと、大学院の研究室に所属させてもらって、その活動がメインになって変わったかな。今思うと、大学で何学びましたかと聞かれたらパッと思い浮かぶのは授業というより研究のことで、そう思えるような活動ができたのは嬉しかったのかなと思う。
ゆうや:俺も一年目はしゅんと似たような感じ。授業に行って宿題して、いい成績をとるロボットみたいだった。夜遅くまで図書館で勉強とまではいかなくても、味気ない生活だったかなというのは正直あるかな。
でも二年目以降はちょこちょこっと人との繋がりができて、三年からはトロント大に編入して。そこで研究室に拾ってもらって、その活動がメインになって、課外活動も始めてと、徐々に理想とする大学生活に近づいていった。
かんたろう:僕は予想通りなところと、そうではないところがあったかな。勉強については、図書館にこもって勉強、大学は入るのより出るのが難しいという話を先輩からも聞いてたから、ある程度ハードワークをやろうと思っていったところもあったし、案の定ということで頑張れた。
でも勉強以外の生活や人付き合い面では、予想通りとはいかなかった。アメリカの学生は勉強しかしていないと思っていたら、意外と遊ぶ人もいて、そのスタイルやインディアナの小さい大学での生活が、自分と合わなかった部分があったんだよね。勉強だけしていても四年間持たないなと気づいた一方で、勉強以外の部分で自分が楽しめる環境を見つけるのに苦労した。結局二年目の一時期、何も手につかないほど疲れてしまって、well-beingを大事にしていこうと思った。
自分はそこで少し考え方を変えて、大学内で無理に全てやらなくていいやと考えることにした。課外活動でインターンシップをしたり、留学したりすればいいなと思ったときから楽になって。早く大学を卒業したのもそんな理由が一部あってと、そんな感じです。
あむ:なるほどね。
ゆうき:俺はなんだろうな。みんなの話と比較すると、俺はそこまで大学生活は苦しくなかったかな。自分は一年目には専攻も決まっていて、内容も高校の復習からスタートで簡単だったから、友達と遊ぶ時間も多く取れた。勉強が大変じゃないといったら嘘になるけれど、2時まで徹夜ということもなく、一年の時からそんな感じで勉強に対して苦労した感覚はないかも。自分の興味ある分野をそのまま好きだったから、努力と感じなかったということかもしれないけど。
あとは研究もやっていて、院生と一緒に抗がん剤とか作っていたんだけど、学部の身分では薬の開発とか院生が考えたものの手伝いくらいしかできなかった。知識も経験も足りないし、アイディアを出してもはじかれたり、本当に研究をするなら院に行かないといけないなと感じた。
それで、研究室で頑張るよりは、もっとなんか自分の目標に向かう方がいいと思ったんだよね。研究は、ただ好きなのと履歴書に書けるから始めただけで、高校の頃からアメリカに卒業後も残りたいが目標だった部分もあるから、アメリカの就活に集中した。それも予想以上に大変で。100社以上応募したし、インタビューまで行ったのは10社いかないくらいで、そこは予想を上回って大変だったかな。
あむ:リアルな4年間、想像より大変だったり、思った通りにいかなかったり、世知辛い経験も多いね。
卒業式 5/26(写真:ゆうき)
後編に続きます。今回語られたさまざまな経験や苦労を経て、四年間で大きく変化したこと、卒業後の次なる目標について、詳しく話を聞いてきました!
2022/2/10 natsumi
0コメント