こんにちは。マウントホリヨーク大学1年生の碧砂です。皆さん体調はいかがですか?アメリカの多くの大学では期末試験期間が終わり、夏休みに入りました。私の大学では、パンデミック影響により一時帰国を余儀なくされましたが、オンラインで授業を続けて無事学期を終えることができました。興味のある大学がこの事態にどのように対応したのか、そしてその大学のコミュニティにいる人たちはその対応へどのように反応したのかぜひ調べてみてください。
さて今回は、私が現在受給している日本学生支援機構奨学金(JASSO)について書かせていただきます。私は2019年度に応募しました。毎年、応募書類の内容や時期が少しずつ変わってくるので、応募する年の募集要項をしっかりと読み込んでください。その上で、少しでもこの記事が皆さんの参考になれば幸いです。
【JASSO (給付型・学部学位取得型)基本情報】
1. 奨学金に関して
- HP:https://www.jasso.go.jp/ryugaku/study_a/scholarship/gakubu/2020.html#04
- 支援期間:原則4年
- 支援金額:①生活費-留学する地域によって月々異なる額の生活費が支給されます ②授業料-年間最大250万円
- 他奨学金との併給:可
2. 応募に関して
- 時期:① オンライン事前登録:11月頃
② 一次選考−書類:11月頃
③ 二次選考−面接: 1月末
【応募書類の作成】
① 計画的に
すでに募集要項を見た人は気づいたと思いますが、JASSOでは応募の際に求められる書類の量が膨大です。この書類の多さはJASSOの大きな特徴の一つです。エッセイ以外の部分で作成しなければいけない書類の大部分は、留学先大学に関する基本情報の引用と和訳版の作成で、単純作業に見えて案外時間がかかります。実際に、書類を締め切りまでに用意しきれずに応募を断念する人も多いそうです。
私は、大変だと聞きつつも結局ギリギリまで手をつけず、締め切り2週間前くらいから焦って取り組み始めました。絶対に真似しない方がいいと思います。一年前の募集要項を見て、夏休みに少しでも準備を進めておけば良かったと後から反省しました。ただ、募集要項も毎年変わるのでそこは注意が必要です。
② エッセイ
JASSOでは複数のエッセイの提出が求められます。2019年度は全部で5つのエッセイを提出しました。留学したい理由、留学計画、卒業後の進路、どのように日本へ貢献できるか、留学と私(フリートピック)です。ここでは、それぞれの質問への回答に一貫性を持たせることを特に意識しました。それに加えて、以下の二つのポイントにも重きを置いていました。
一つ目は、過去・現在・未来をどう繋げるかということです。今まで自分はどのような活動をしてきて、それらが今の自分にどう影響を与えているのか。そして今、どのような将来像を描いているのか。想像と希望で描きつつ、それを実現するまでのステップには具体性と実現性を持たせるように書きました。それぞれのエッセイでは、過去・現在・未来と分けて聞かれていますが、全てのエッセイを読み終えた時に、1つの自分のストーリーが見えてくることを意識しました。
二つ目は、日本への貢献方法にどれだけ説得力を持たせられるかということです。JASSOで支給される奨学金は国民の税金でまかなわれています。今回留学することで、どのようなメリットが日本にあるのかを説明できない限りは、この奨学金をいただくことはできないと思ってください。
留学で何を学んで、将来それを生かしながらどんな分野で働きたいのか。そして、その分野の日本における発展にどう貢献できるのか。日本の外に出た身として、どう世界と日本をつなげる架け橋になれるのか。すごく規模の大きな話に見えてきますが、これは自分にしかできないんだというユニークな切り口が見つかれば、身近な話に持っていきやすいと思います。
自分のストーリーの中にうまく日本への貢献の話も盛り込んで、5つのエッセイ全て合わせて1つの書類という意識で取り組むのがいいのではないかと思います。
【応募前には焦点をあてていなかったこと】
次に、実際に奨学金を受給することになってから気がついた大切なポイントについていくつか共有させていただきます。
① トランスファーについて
JASSOの学部・学位取得型奨学金では、大学の変更は認められています。ただ、この変更には再審査(改めて合否結果が通知される)を受ける必要があります。そして、原則、変更先の大学が変更前の大学のレベルやそこでの学修の質と同等又はそれ以上であることが条件となります。
また、この変更には留学開始前の進学先大学の変更も含まれます。進学予定の大学が、応募時に提出した志望先大学と違う場合、変更届けと再審査が必要です。このことも考慮した上で、応募する際に提出する志望校リストは慎重に作ることをお勧めします。ただ、多くの受験生がJASSO応募時にはまだ志望校が固まっていないと思います。ここのリスト作成に関して、もし相談したいことがあればいつでも連絡ください☺︎
② 休学/留学/海外インターンについて
休学は、原則として認められていません。ですが、決められた手続きを行えば、留学や海外インターンへの参加によって大学を一時的に離れることは認められています。
※ちなみに、休学という形で大学在籍中にギャップイヤーを取る人は少なくないです。理由は様々ですが、休学が珍しい選択肢ではないことだけは知っておいてください。
このように、奨学金を受給し続けるにはいくつかの条件があります。自分の想定している大学生活がその条件を満たすことができるのかを確認しておくことはとても重要になってくるのではないでしょうか。その他にも、奨学生としての義務などが詳しく書いてあるので、HPに載っている「派遣生の手引き」というドキュメントに目を通しておくことをお勧めします。
【最後に】
他の奨学金と比べて、JASSOは毎年約40-50人と採用者が多いです。この枠の多さは大きなチャンスではないかと思います。また、準備は大変だと思いますが、書類作成に関する細かい指示は選考員の意図を掴むヒント、志望校に関する書類作成は大学を知る機会、エッセイを書くのは自己分析の一環と捉えてみてはどうでしょうか。応募のプロセスに時間がかかるからこそ、JASSOの応募のために行っている1つ1つのことを、アプリケーションを作るのにも役立てていってください。奨学金の応募に割く時間は決して無駄ではありません。辛抱強く、頑張ってください。Energy and persistence conquer all things! – Benjamin Franklin
2020.4.3 碧砂
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