留学する時に英語力より大事なもの

トロントに移ってから1年以上して、ようやくナイアガラの滝に行ってきました。


トロント大学に通うyuyaです。海外経験のほとんどない方が留学をしようとする時、一度は必ず英語力について不安に思ったり、悩んだりしますよね。筆者も御多分に漏れずそうでした。なにせ、筆者が現役の時は、英語で120点満点中47点という衝撃的な点数をたたき出したせいで志望大学に不合格でしたから笑。


筆者の英語力はアメリカに留学して一年半後、編入のためにTOEFLを再び受けるも100点にわずかに届かなかったというほどのカスっぷりです笑。


そんな筆者でも、授業の成績だけは多少苦労はしつつも良い状態を保てているので、何故だろうと考えてみました。


抽象から言語へ

留学してから約2年が経った頃でしょうか、何の前触れもなく突然自分の住む家(寮)を見て、なぜ家を見て日本語では家と、英語ではhouseと認識できるのだろうかと疑問に思いました。


少し考えてみると、そこにはこんな感じの形をしていて、こういう場所にあって、これくらいの大きさで人が住めるような建物を、日本語では家と呼び英語ではhouseと呼ぶ自分がいました。


つまり、何かを普段の人間の言葉(自然言語)で表現する際には、頭の中にある抽象化された何かもやもやしたものを自然言語に訳していたということです。目の前にあったものが、家が抽象化されたものと合致していたので、それを日本語に訳して家と呼んでいました。


成功への鍵は言語から抽象へ

留学前に見落とされやすいものは、先ほどの逆、すなわち人間が生活の中で使う言葉(自然言語)で表現されたものの論理構造を読み取り抽象化する力、そして他の場面で応用できる形にする力です。この力をここでは理解力と呼ぶことにします。


なぜこの理解力が大事かというと、これがなければ自分で何かを表現するというステップにたどり着けなくなるからです。


もし理解力がなければ、教科書を読んでも字面しか追えないので結局何が書かれているかわからず、テストなどで問われた時には何も書けなくなってしまいます。ディスカッションでも相手の趣旨を読み取れなければ、自分はトンチンカンな意見を言ってしまうかもしれません。


純ジャパが留学したいなら国語を勉強しなさい

英語じゃないの!?と驚いた皆さん、こちらの問題を解いてみてください(解答は問題の下の本文にあります)。


 アミラーゼという酵素はグルコースがつながってできたデンプンを分解するが、同じグルコースからできていても、形が違うセルロースは分解できない。


この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

 セルロースは(  )と形が違う。

(1)デンプン (2)アミラーゼ (3)グルコース (4)酵素

引用元:AI vs. 教科書が読めない子どもたち 新井 紀子 (著)


理系の知識は全く必要ありませんので、もう少し粘ってみてください。みなさん、解けましたか?答えは(1)のデンプンです。アミラーゼの働きがデンプンとセルロースの対比構造を通して語られているとわかれば、さほど難しくはないでしょう。


これを解けなかった皆さん、留学すればこれ以上に複雑な文が、日本語以外の言語で束になって出てきます。母国語である日本語でできないことを、果たして外国語でできるでしょうか。


だからこそ、留学を志す純ジャパ高校生には国語を勉強してほしいのです。日本語を通して言語から抽象へ昇華する理解力を育むことで、授業がわかるようになり高校でも留学先の大学でも好成績を取れるようになります。


では、理解力を上げるにはどうしたら良いかというと、一番は要約です。入試問題では、センター試験や東大・京大の論説文を解いてみると良いと思います。特に東大の大問1の最後の問題は、文章全体の構造から論旨を読み取る力が問われているので、もってこいです。


筆者は中高大とテスト前に教科書や授業で習ったことを数枚のプリントにまとめるということもしています。まとめるという作業は情報を取捨選択し、切り捨てた情報を復元できるように残された情報を一般化することを求められるので、おすすめです。それに、覚えることも格段に減るのでテスト勉強が楽になります笑。


さいごに

大体記事の最後にはまとめが来るので、このセクションを埋めるのは読者への練習課題とします。どこの大学向けの教科書だよ。 

【問題】

この記事の要旨を50〜60字程度でまとめ、この記事を完成させなさい。


2019/12/31 yuya

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