私がアメリカ受験を決めた理由。残るは、4年後に正解にすること。

はじめまして。アメリカのAmherst Collegeに進学予定のkanoです。


出願準備を高3の初めから進めながらも、私は出願直前まで実際にアメリカの大学を受験するか長らく悩みました。


そんな私が最終的に去年の12月、アメリカを選んだ理由を今日は少し書かせてください。当時は直感という一括りにし、上手く言語化できなかった理由も受験期を振り返った今、少しはっきりしてきたように思います。


とある一人の高校生の話として海外受験を考えているみなさんの参考になる部分があれば幸いです。


1. 学業面

まずは学業のことから。


専攻こそまだ決まっていませんが、今一番興味がある分野は東アジア学と歴史です。「歴史を学んで何に役立つの?」というような懐疑的なまわりの心の声はよく聞こえて来ますし、私自身今でもそう思うことはあります。


それでも私は高校でのIB(国際バカロレア)の歴史の授業が大好きでした。複数の観点から過去を解読し、ニュアンスのある解釈を試みることによって、社会問題や文化を根底から理解できるという歴史のどことない深さ。私にとっては、他の科目と比べても勉強していてダントツに楽しい科目でした。


私は出願プロセスの中で、歴史を専攻することへの不安について当時の歴史の先生やアメリカの大学の面接官の方 (歴史専攻の卒業生が毎回割り振られたため) と話し、その中で教わったことがあります。大学の学部で得るべきものは、歴史事項の詳細な知識よりも、批判的思考力、情報処理能力、読む力、書く力、などのスキルだという考え方。実際、先生や面接官の方の今の職業は様々ですが、歴史を大学で学んだことを後悔したことはないと口を揃えておっしゃっていました。


そんな助言にも背中を押され、「地頭を鍛え、思考力を養うため」の大学と考えた時、学ぶ細かい内容は自分が楽しめること(私にとっては歴史)を学びたいと思うようになりました。まだまだ甘い考えかもしれませんが、これからでも専攻を変えられるアメリカの大学だからこそ、このように「ひとまず」歴史を学びたい、と落ち着くことができたのだと思います。


2. 学校の環境

特に大学の環境について日本と比べた時、私にとっての魅力は多様性と学校内のコミュニティの存在にありました。


まず、多様性。もちろん日本の大学にもありますが、アメリカの大学は少し特殊で、アドミッションの人は意図的に多様なクラスを作っています。奨学金制度を充実させ、在籍生徒の国籍を増やす努力をしている学校が多く見られるのもこのためです。(これでもやはり裕福層が圧倒的多数なってしまう現状がありますが。)


私は高校の2年間を多国籍の友人たちと過ごし、周りの人々が私自身に与える影響を強く感じました。今までの自分とはまるで違う環境で育った友人との食堂での会話や、授業での議論から得る刺激と学びには常にワクワクするものであり、私の原動力にもなりました。多様性はただ叫べば実現し上手くいくような輝かしいものではないことも分かっていますが、そんな理想と現実の差にあるもどかしさから学ぶことも多いと思っています。


次に、学校のコミュニティ。私が受験を考えていたアメリカの大学は基本的に寮生活を前提とした主に小さめのリベラル・アーツの学校でした。寮生活の中のランダムさには毎日何かしら偶然の出会いや学びがあり楽しいものです。特に前項に書いた多様性があるからこそ、衣食住を共にし、支え合う学校内のコミュニティに魅力を感じます。


最後に、少し言語について。これは少し甘えの部分もあるかと思いますが、高校最後の2年間をインターで過ごした私にとって今でも間違いなく母国語は日本語ですが、政治や社会問題の話、自分の将来像、なんなら恋バナ(笑)なんかも英語の方がストレートに素直になれます。直近2年間の経験が英語だったからなのか、英語の環境で以前よりもオープンになった自分がいたからなのかは分かりませんが、いずれにせよ言語の居心地の良さを手放すのが怖い自分もいたのかもしれません。(それでもこの最後の理由は他に比べたら小さな後付けのようなものですが。)


最後に

進路選択に関して絶対的な正解はないと思います。


私がこれからアメリカに行っても、なんなら4年後に卒業してもからも、比べるもの(例えば日本での大学生活)がないわけで、だから私の今の選択が正解だったかなんて分かりません。


一方で、きっと、今自分が納得しているということが一番「正解」に近付く方法なのかなと私は考えています。今はまだ何が正解かなんて決まっていなくて、これから大学の4年間を自分が作ることによって、既に選択した道を「正解にする」ものだからです。


周りの友達の進路や大学ランキングなど他人の尺度からは一度距離を置き、是非じっくりと自分が大学生活に何を求めるのか考え抜いてみてください。自分が納得した選択をしてこそ自信と責任を持って次に進めると私は思っています。


2019/6/23 kano

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