数あるアメリカの大学の中から受験校・進学校を選ぶ時、私は「日本人がどのくらいいるか」を一つの大事な基準としました。
一人は日本人の先輩がいてほしいけど、なるべく少ないほうがいい。そう思っていました。
それは、日本語を使うことが少ない環境に身を置き、効率的に英語を学びたかったから。コミュニケーションが取りやすい日本人コミュニティから離れて挑戦し続けるほどの自制心が、自分にあるとも思えなかったし。
そんな私ですが、日本人との関わりが少なかった一年目と、日本人との関わりが増えた二年目(と言っても半年だけだけれど)を通して、アメリカの大学での日本人との関係について受験時とは違った捉え方をし始めていることに気がつきました。
というわけで、今回は大学内(The College of Woosterというオハイオ州にある2000人規模のリベラルアーツ大学)の日本人コミュニティーについて書きたいと思います。
あまり日本人との関わりがなかった一年目
あまり日本人がいない方が良いと思い選んだ大学でしたが、思ったよりも日本人生徒がいました。
全部で5人くらいかな〜と勝手に思っていたのですが、4年に1人、3年に5人、2年に2人、1年が私を含めて5人ほどでした。
日本国籍を持っている人などを含めたオフィシャルな数字はもっと多いかもしれませんが、日本人での集まりに顔を出す人を上記の人数に含めました。日本人の定義も、アメリカに来ると曖昧になりますね。
普段はすれ違うときに手を振るくらいの関係で、日時を決めて日本食を一緒に食べる会が年に3、4回ある程度(上の写真)。
秋学期にあるカルチャーショーで出し物をするために、10月には話し合いや練習で毎週日本人に会う機会もありました。たまに立ち話をして、先輩の授業スケジュールや就職について教えてもらうこともあったと思います。
とはいえ基本的に(同学年の日本人の子と一緒に行動していた時期もあったけれど)、私は日本出身ではない留学生友達といることが多かったです。
私と同じように、せっかくアメリカに来たからには英語を練習したいという認識を持っている日本人が多いからでしょうか。
他の国から来た留学生に「日本人は仲が悪いの?」と聞かれるくらい、毎日一緒にお昼を食べたりしている他国の生徒に比べて、あまり日本人同士の関わりはありませんでした。そのおかげでいつも一緒に行動するベトナム人の友達もでき、英語を日常で使うことができました。
日本人と関わることが増えた二年目
私が二年生になると、さらに五人の日本人が新入生として入ってきました。卒業した四年生がキャンパスのスタッフとして大学に残ったこともあり、一年目に比べて単純に数が増えました。
また新入生たちがフレンドリーで人懐っこい性格だったので、日本人と立ち話をする頻度、集まって一緒に日本食を作る頻度は自然と増えました。誰かの部屋に集まって夜を明かすなんて去年は考えられなかったです(上の写真はThanksgiving break中の女子会です)。
日常生活でいうと、私はベトナム人の友達と一緒にご飯を食べたり出かけたりすることが多いですが、ルームメイトは日本人なのでそこそこ日本語は話すし、日本人同士で一緒に行動している生徒も見かけます。
そしてこの変化に対して、私はポジティブ・ネガティブ両方の感想を抱きました。他校の友達の話なども含めてまとめると、こんな感じです。
ポジティブ
- だいぶ大学生活が楽しい。短時間でリフレッシュができる。
- 辛かった時に、今までは違う大学の友達に電話していたけれど、キャンパス内の友達に相談して解決するようになった。
- ありがとう、いっていらっしゃい、がんばってねを日本語で言えるし、言ってもらえる。
- 日本の大学生活を疑似体験できて、日米大学の良いとこ取り。
- 日本人が課外活動や勉強で成果を出していると、自分も頑張ろうって思える。(鬼ほど優秀な人がたくさんいる)
- 日本に帰ってからのつながりができる。それも福岡や大阪など日本中に友達ができる。
- 先輩から留学生・日本人ならではの情報を聞くことができる。
- 日本の文化を広げる活動を大学内でしやすい。
ネガティブ
- やっぱり英語を話す機会は減った。そして他の留学生を見ていると、英語で会話する友達の数と英語力はやはり相関していそう。
- 英語力に関する焦りや自責が募ることもある。
- 逆にホームシックになる。
- それぞれの性格や雰囲気にもよるが、派閥ができたりすると面倒。
日本人を頼るときは頼って、英語力は自分でセーブする
itsuyama君の、日本語や中国語を避けてひたすら英語を使う環境に自分を置いたという記事を読んだとき、ストイックでただひたすらにすごいなと思いました。
英語力で言ったら、そのほうが確実に伸びるでしょうね。それがアメリカの大学に来る前の私がやりたかったことでもあったわけですが、今の私は少し違う考え方をしています。
一年生の一学期目に、日本人とつい話してしまうのが悩みだと相談した際、ベトナム人の先輩に「いいんだよ同じ国の人と一緒にいたって。」とシンプルに言われました。
その言葉をもらった時から私の考えは変わり始め、今では同じことを後輩に言うようにもなりました。それは、その言葉がなければ、私は一学期目に潰れていたんじゃないかなと思うからです。もちろん死にそうになりながらも、生き抜くことには生き抜くんでしょうけど。
特に入学当初は、英語での授業やカルチャーショックなど、一度にたくさんの困難が襲ってきます。
日本の大学に行かないのであればアメリカの大学でずっと英語!と両極端に生きなくても、アメリカの教育制度が好きだからアメリカにきたけれど、たまにキャンパスにあるミニ・ホームで休みながら頑張ればいいんじゃないかな、くらいの気持ちでいます。
そうは言っても、この考え方は自分に甘いっちゃ甘いし、四年間アメリカにいたのにあまり英語話せませんというのも個人的に嫌なので(それでも得るものはあるし、別にいいと思うんですけどね)、自分で発音の個人レッスンを受けたりアメリカ人の友達を作ったり話したりもするようにもしています。
こんな風に、日本人との関係がどんな感じかはその大学通っている先輩に聞けばわかると思うので(人数の割に仲が良かったり関わりがなかったりもするので聞くのが一番)、大学生活を描くための一つのパーツとして学校選びの参考にしてください。
2018/12/08 amu
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