[less is more] (2) ~身体障害者(下肢不自由)の海外進学準備~

どうもこんにちは。みことです。


今回の記事を含む5回の連載で、[less is more] という身体障害者(下肢不自由)の海外進学をする上で必要なことを紹介する記事を書かせていただいています。


下肢不自由の方もその損傷の度合いによってはすべてのプロセスを踏む前に、事前に担当医師などへの相談が必要となる場合もあり、本連載記事に書かれるものとは違うプロセスを踏む可能性があります。コメントや個人的に連絡をしてくだされば、翻訳や調べる作業など、私の協力できることがあればさせていただきたいと思いますが、本記事については予めご了承ください。


*本記事で紹介する私の考えは、確かに身体障害を持つものの1人としての私の考えではありますが、身体障害者の総意に基づく考えではありません。


ご理解よろしくお願いします。


1.テスト受験の配慮とは~TOEFL iBTの場合~

日本の高校から4年制・もしくは5年制(建築などの一部の専攻のみ)の米国の大学に海外進学をする場合、TOEFL iBTとSATとSAT Subjectという3種類のテストを受ける必要があります。


TOEFL iBTのiBTとは、”インターネット・ベースド・テスティング”ということで、インターネットに接続するコンピュターを使って受験するテストです。


ご自宅での受験はできません。全国にあるテスト会場で受験することが可能です。


私は下肢肢体不自由の障害を持っていますが、義足をつけて歩くことができるため、特別な配慮を申し込むことはありませんでした。


しかし、事情により足を90度に曲げることができなかったため、机の奥行きや幅というのは、受験をする前には非常に気になっていました。同じような不安のある方もいらっしゃると思います。


机の幅や奥行きは、悲しいことに、試験をする部屋によって違います。


同じ試験会場でも、ラップトップ型パソコンを使う部屋とデスクトップ型パソコンを使う部屋に別れていたりしていて、そこに置かれている机のサイズも違う場合があります。


デスクトップ型の方が足のスペースはゆったりしている気がします。試験を受ける部屋というのは申し込む時点では(おそらく)決めることはできません。


おそらく来た順か、もともと決めてある部屋に案内されるのだと思います。


ゆったりとした、きちんと足元にスペースのある机もありましたし、正直き

つい机もありました。が、僕には我慢できる程度でした。


さて、もしもあの時、僕が我慢できずに、試験中に何らかの配慮を要求したらどうなったでしょうか。


これはあくまで推測の話ですが、ETS(テストを開発・採点する会社)とプロメトリック社(実際に日本でのテストを開催する会社)は事前に配慮要求をするよう受験者に求めていることか

ら、試験中の特別な配慮要求にはおそらく100%満足のいく形で応えてくれるということは、期待できないと思います。


なので、もし不安でしたら、事前にETSまたはプロメトリックに配慮申請をするようにしましょう。


2.受けられる配慮の内容~TOEFL iBTの場合~

ETSは、事前に(受検日確定前に)特別の配慮の申請をすることで、次のような配慮を受けられると案内しています。(ETSのホームページより身体障害者(肢体不自由)の方に必要と思われるものを抜粋しました。)


・試験時間の延長

・休憩時間の追加


休憩時間というのは、リスニングセクションとスピーキングセクションの間にある15分間の休憩時間のことです。


トイレに行ったり、水分補給したり、ちょっと軽食をとったりすることができます。


トイレに行く時間は障害の度合いによってはやはり一般の方と比べて少し時間がかかる方もいらっしゃると思いますので、検討する必要があるのではと思います。


また、車椅子を使っている方も十分に検討されることをオススメします。ただし、私は受験戦略というのも重要だと思っています。


あんまり休憩時間が伸びすぎるとスピーキングセクションを受験する際に、他の多くの受験者と試験時間が被り、かなりうるさい環境で受験しなければいけない、という可能性があります。



そこはいろいろと天秤にかけたり、かなり早くから受験会場に行くなどの対応を取るようにしましょう。


また、車椅子をご利用されている方は、別途プロメトリック社への事前の連絡が必要です。ロッカーや座席の配慮などを行ってくれます。


今回はETSへの特別な配慮の申請の仕方、プロメトリックへの連絡の仕方をご紹介します。


3.配慮申請の仕方~TOEFL iBTの場合~

(1)ETSへの配慮申請

とんでもなくややこしいです。


まず、注意ですが、配慮が必要な受験者は、一般のオンライン登録で試験を予約するのは推奨されていません。


つまり、配慮申請をするのと同時に、受験登録もしなければならないといけないということです。


次に、申請に必要な必要な書類から説明します。コピペでググれば申請用紙出てきます


・2017-18 TOEFL iBT REGISTRATION FORM FOR TEST TAKERS WITH DISABILITIES OR HEALTH-RELATED NEEDS

_配慮が必要な方の試験登録書


・Testing Accommodations Request Form

_配慮申請書(3つのパートに分かれる)


・disability documentation

_診断書


ちなみにdisability documentationとTesting Accommodations Request FormはBulletin Supplement for Test Takers with Disabilities or Health-Related Needsという書類(PDF)の中に入ってます。


これらの3つの書類をダウンロードして、印刷して、欄を埋めて、スキャンして、電子メールで送らないといけません。


郵送もできますが、アメリカに送るので結構お金かかります。詳しくはhttps://www.ets.org/jp/toefl/ibt/register/disabilities/を見てください。


ここでめちゃくちゃ重要な点は、ETSがこの文書の見直し、審査に6週間程度かかるということです!


さらに、不備などがあった場合には追加書類が必要となります。その際の追加書類の見直し、審査にもさらに6週間かかります。


最長で約12週間、つまり3ヶ月も、申請が受理されるのに時間がかかるということです。


こちらの点、留学のスケジュールというのは実際かなりキツキツなので、気をつけておいてください。


試験会場での会場設備などの配慮は、次のプロメトリックへ連絡することで解決できます。


(2)プロメトリックへの配慮申請(車椅子使用者向け)

こちらは、通常のオンライン登録で試験を予約したあとに申請します。


具体的な配慮の内容としては、バリアフリーな環境を整えてもらったり、試験机の対応や、ロッカーの対応、部屋の入り口近くで受験したりすることができるようになります。


http://ac.prometric-jp.com/toefl/jp/special_accommodation.htmlのページにある電話番号に電話をかけて、申請してください。


車椅子を使用している方は、電話をかける前に、試験会場や登録番号などの他に、車椅子のサイズなども計測して、控えておいてください。


車椅子を使用していなくても、先ほどの僕のように、試験机の奥行きが心配、という方も一度連絡してみると良いと思います。


何らかの対応を取ってくれるのでは、と期待しています。今回は、以上です。次回はSATの紹介をさせていただきます。(2)は以上です。


2017/07/12 みこと

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