こんにちは、natsumiです。この夏、休学経験者のシェアブロメンバーを集め座談会を開催しました。今回はその様子を前編・後編の二本の記事に分けてレポートします。前編であるこの記事は、休学の理由と休学中の過ごし方について、私たちのそれぞれの体験談を共有します!
目次:
- 座談会開催の背景
- 休学の理由:コロナ禍はきっかけ?
- 休学中の過ごし方:事前に何をするかは決めていた?
座談会開催の背景
する・しないの最終決定に関わらず、大学入学後に一度は学生の脳裏をよぎる二大トピックが編入と休学といっても過言ではないと思います。編入についてはこれまで、数人のシェアブロメンバーがいくつかの記事を通して自身の体験を語ってくれていますが、休学についての記事はありませんでした。そのためこの夏、実際に一年間の休学中である筆者が、ほかの休学経験者メンバーと座談会を開催しました。読者の学生のみなさんが今後、休学という選択肢が頭をよぎった際の参考になればと思います。
参加者プロフィール
休学期間とタイミング
- あむ:4年生最終学期を前に1学期(2020年8~12月)
- ゆか:4年生に進級前の1年(2020年8月~ 2021年5月)
- エディ:3年生前期にあたる1学期(2020年8~12月)
- なつみ:3年生前期を終えた後1年(2021年1~12月)
- あずな:2年生後期にあたる1学期(2021年1月~5月)
休学の理由:コロナ禍は大きなきっかけ?
Q.ではまず、それぞれ休学を決めた理由を教えてください
なつみ:まず私は、3年生の秋学期に環境学のプログラムでタイに留学して、学期終わる頃にふと、まだタイに残って学べることがある気がすると直感的に思って休学を決めました。なので一応、タイでアカデミックの興味を追求するためというのが一番の理由です。コロナ禍でも運良くビザを取得して入国できたついでに残っちゃえとも思いつつ。
ゆか:私の場合、背中を決定的に押したのはコロナが大きいかな。トランプ大統領が全編オンライン授業の場合、留学生は米国外に出国しないといけないとかなんとか方針を出した時に、今まで迷ってた休学を決めて、その日一日で休学準備を整えた。結局その後すぐに撤回されたけれど、もう心は決まっちゃってた。コーチングの勉強をしたくて大学の勉強と両立できるかもともと不安だったのだけれど、ちょうどよく背中を押された感じ。
エディ:僕はコロナもあるし、自分の精神状態が崩れたのもありました。もともとずっと休学は考えていて、入学してから自分がみんなに追いつけない感じがしていたし、全速力で走り続けていた中で休憩したいという感覚があったんですね。それでコロナにも後押しされて、2020年の秋に半年間休学しました。
あむ:私はもともと、休学の選択肢はなかったんだよね。でもいざ日本の学生と同じスケジュールで就活するとなった時、大学生活と就活とを両立するのが大変そうと思って。だから、就活が終わってから学業をやればいいのではってことで、就活に専念するために休学した。というのも5月に卒業して翌年春までの11ヶ月間が空白期間になるか、途中で休学期間を入れて冬卒業から3ヶ月が空白になるかの二択で、どっちにしろ就職は卒業の次の年になるので。
エディ:頭いい理由ですね。
あずな:私の休学の理由は、二つ。一つは、私がもらっているJASSOの給付型の奨学金はもともと休学は認めていなかったけれど、コロナで休学した分の支援期間の延長が可能になって、今までできなかったものができるようになった。
あとは、去年の秋学期のオンライン授業の昼夜逆転で心身ともにすり減っていたこと。冬休みに一ヶ月休んだだけでは学期に戻れないと思って。いつもは新学期の前は授業楽しみだ、よしみたいな気分になるんですけど、この時は誰か休みをくれという感じでした。
ゆか:そう、私も話聞いて思い出したんだけど、春にコロナでキャンパスから追い出された時に二ヶ月くらいオンラインの授業を受けたけど、これは無理だと思ったんだよね。リベラルアーツはオンラインのために作られていないし、自分も集中できないし、教授も慣れていないし。オンライン授業が嫌だったのもあったな。
Q. 休学を考え始めてから実際に決断するまでに色々迷うと思うのですが、皆さんはどんな懸念事項があって、何を天秤にかけて最終的な決断に至りましたか?
あむ:私の場合は卒論と就活が休学すれば両立できると思いついた瞬間に迷いなく決めたけど、それ以前に休学という選択肢がなかったのは、友達と一緒に卒業したかったのが大きかったのかな。周りのアメリカ人とか留学生では休学していた人が少なかったし。
あと昔に1回考えたことはあったけれど、周りのすごい方々の休学理由をみて、私はそんなたいそうなことできないと思った。コロナ以前に見た人たちは、例えば国連で働きたいんでとかヨーロッパのエネルギー開発を見たいんでとかいう理由で休学していたの。だから、「ただ休むための休学」という選択肢が持ててなかったかな。
なつみ:わかる笑。私はこんな社会の状況なので、どの面を切り取っても休学のタイミングとしてちょうどいい、納得感があると思いつつ、唯一引っかかったのはあむさん同様、友達より卒業が一年遅れることでした。私が通うCollege of Woosterは4年生の卒論に力を入れているので、友達なしで乗り切れるかなみたいな笑。
エディ:僕は卒業のタイミングは気にしなかったですね。あとは人生長いからいいかなという感じもあって。それでも唯一の懸念事項はお金でしたね。さっきちらっと話は出たけれど、JASSOの奨学金がコロナ前のように休学期間分の支援期間の延長はしないというルールのままであれば、休学して卒業が遅れるだけで年200-300万程度変わってくるので。だから、その後の方針転換が後押しになりましたね。大学からもらっている奨学金も5年以内に卒業すれば休学をしても出してくれるので、これでお金の面も大丈夫だとなって決定しました。
ゆか:私は今思うと自分は何に悩んでいたのだろうと思うけれど、当時は休学するということの精神的なハードルが高かった気がする。一年休んでどうやって復帰できるだろう、休学期間に今思い描いていることを自立してやっていけるのだろうかと心配だったかな。コーチングを勉強したいというのはあったけれど、半年やるのか、コロナの状況によっては一年になるのか不透明な部分もあったし。
あずな:私は迷いに迷ったタイプで、ここの誰にも増して懸念事項は多めで、あげればキリがないです笑。まず金銭面の話の解決はマストだったので、さっき話したJASSOの方針転換によって休学という方にひとプッシュ。それでも休学決定ではなくて。
休学する人が一定数いる大学なので、これまで特に休学に対して何も思っていなかったけれど、いざ自分ごとになると、卒業に就活にどうしようと思って。というのも、今までレール通りに次はこうなるよねとある程度の想定ができていたけれど、そこからズレることにどうしようと思ったんですよ。一方で、先輩や周りの大人から「一回レールから外れてみると楽だよ」と言われてそうかもしれないとも思った。他には、アメリカのキャンパスだけでなく日本国内もコロナで動きづらい中、何ができるかも考えて。
結局、休学中に入れてもらう研究室も決めて、お金の状況も整えてと事前にかっちり決めてから、最後に休学を経験した先輩の「休学を後悔した人を見たことがない」という言葉に押されて決断しましたね。半年ずれるので卒業式がないことがいまだに引っかかるんですけれど。
ゆか:卒業式大事笑
あずな:気持ちは休学したいと思っているけれど、不安要素も多すぎたので、休学をしても大丈夫だと思えるように、自分で安心材料をいろんな人に話を聞いて集めました。
Q.コロナがなかったら休学してなかった人?
(勢いよく手をあげた、ゆか・あむ・エディ。うーんと言いつつ、きっと休学してないに票を入れた残り2名。コロナが大きな後押しにはなったというのは全員共通でした。)
ゆか:その他の休学したい理由があったとしても、してなかっただろうね。
あむ:私は、さっきあずなちゃんが言ったような「レールを外れる」という選択肢が、コロナなしではなかったんだよね。コロナでオンラインだからという物理的な理由より、コロナでとりあえずみんな一回ストップさせられ、今まで通りを無視してどれが一番か考えたら、その選択肢が出てきたという感じ。
エディ:僕はコロナをきっかけにJASSOのルールが変わったので、コロナがなければ休学していなかったですね。逆にコロナと関係なしにJASSOが休学がしやすい規則だったら、コロナがなくても休学したかもしれません。
あむ:同じ「コロナだから」でも、違うタイプのきっかけだね。
なつみ:若干話が逸れるんですけれど、休学の手続きびっくりするぐらい簡単でしたよね?
あむ:そう、紙一枚で「じゃあ次秋学期ね、バイバーイ」ぐらいだった。
タイでの半年間は完全に現地の農家と化していました(写真:なつみ)
休学中の過ごし方:事前に何をするかは決めていた?
Q. では話を進めて、みなさん休学中何をしていましたか?
なつみ:まず私は休学の理由がタイで勉強だったので、一年の休学期間のうち最初の六ヶ月はタイの農村で、現地のタイ人の家にホームステイしながらインターンシップをしていました。勉強しつつ、半分は人生経験を積む時間みたいな部分もあったかな。今は日本に帰国して、残り半年をどう過ごすのか考えながら休憩してます。
あむ:私はずっと就活をしていた。ガッツリ就活した笑。提出するエッセイを書き直したり、ツイッターで面接の練習相手を募集して、知らない人20人くらいとオンラインで練習したり。1月から春学期を休学して、結局就職先が決まったのは4月末だったので、休学期間中は主に就活だったね。あ、あと就活と並行してコピーライターの仕事もしていた。
ゆか:がっつり就活してたよね。凄まじかったね。
あむ:ゆかにコーチングしてもらってたからね笑。
ゆか:私はコーチングスクールに通うことを事前に決めていたから、三ヶ月間のプログラムにもともと申し込んでいて、一年の休学期間の最初の三ヶ月はコーチングに染まるなってのは先にわかっていたのね。その三ヶ月のスクールが終わってからは個人事業主コーチとしてコーチングをやり始めて、そこで初めての収入を得た。
そのあとは休学期間を通してあんまり収入がないなと思って、余裕が出てきた二月から五月までインターンをやり始めたのね。インターンはコーチングとは関係なくて、福祉事業の会社だったんだけど、障がい者と施設を結ぶマッチングプラットフォームとかのサービスを運営してました。そして、インターンをやめた後に始めた就活は一瞬で終わりました。去年の秋から休学しているけれど、今年の5月以降は自分で夏休みだと設定して、今は夏休みを謳歌してます笑。
日本にいる間、興味のあるインターンシップやイベントにたくさん参加できた(写真:ゆか)
あずな:私は、研究室に入るとか事前にやることを決めて休学に入ったとさっき言ったのですが、緊急事態宣言の関係で最初の2ヶ月は研究室には入れず、バイトをしてました。バイトの業務はニューロサイエンス系の論文を読んでスライドをまとめるとかで、月100時間超える時もあるぐらいひたすら働いていました。
その後は予定していた大学のラボに3月頃から7月まで入れてもらいました。バイトも研究室も、毎日学術的なものに触れているという点では大学の学期中と同じだったんですけれど、夜も課題に追われるとかはないので、忙しいながらも夜8時以降は何もないというのが至福でした笑。ドラマ観たり、スクラッチアートしてみたり。
エディ:僕はたぶん、あずなさん以上に自由な時間があって、そのやることがない時間がすごくよかったですね。休学は直前まで迷ってたこともあって、休学が始まってからの予定は特になく、そしてアクティブに何かを探して入れようって気持ちも全くなかったんですね。だから予定なく休学期間に突入して、興味のあることを探してやってみるという姿勢で過ごしていたら、自分が中学生だった時の感覚を思い出しました。それが懐かしくて。高校や大学ではやるべきことが与えられるけれど、中学生くらいまではやりたいことを探してたなと思いましたね。自分は音楽をやってみたかったので、音楽教室を探して、近所の教室に行って練習して、他の時間には旅行してと、幸せでしたね。
休学中に取った免許で(写真:エディ)
あずな:幸せそう。私も楽器練習しました、ウクレレ。
あむ:私もギター始めた笑。
今回の前編では休学の決定、休学中の過ごし方までのそれぞれの体験談を紹介しました。次回の後編では、休学期間を経ての気づきからこの先休学を考える人に向けて、経験者が伝えたいメッセージまで5人のメンバーが語ります!
2021/12/1 natsumi
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