【夏休み特別企画】リベラルアーツ大学生と総合大学生の座談会

アメリカの大学は「リベラルアーツ大学」と「総合大学」の大きく2つに分けられることが多いです。


進学先としてアメリカの大学を視野に入れ始めた人は、それぞれのイメージをある程度持っているかもしれませんね。


でも、それって本当に正しいイメージなのでしょうか?


そんな疑問を持った新メンバー立案のもと、リベラルアーツ大学生3名と総合大学生2名、総合大学に秋から進学するギャップターム生の計6名が、リベラルアーツ大学と総合大学のリアルな違いについて話し合いました。


*リベラルアーツ大学と総合大学については最初に紹介するので、違いがそもそもよくわかっていないという人も、安心して読み進めてください。


座談会開催の背景

今回の座談会をするにあたり、一般的なイメージとして前提にしたものは以下の通りです。(星マークは特に今回の議論のテーマになっているもの)

*都会にあるリベラルアーツ大学ももちろんありますが、今回の座談会参加者はオハイオ州やインディアナ州にある田舎の大学生だったので、それを前提に読み進めてください。


今回の座談会は、新メンバーのギャップターム生、Eddyが立案したもの。


彼は、リベラルアーツ大学志望でしたが、進学先を決める直前の春にキャンパスビジットをし、最終的に総合大学への進学を決めました。


その理由は、両方の大学をビジットしてみて、リベラルアーツ大学にしかないと思っていた「事前にやりたいことが決まっていなくて良い」「教授と生徒の距離が近い」「サポートが厚い」という特徴が、総合大学にもある、もしくはそもそも不要であると考えを変えたから。


そこで今回シェアブロードでは、リベラルアーツ大学と総合大学のイメージとリアルのギャップを埋めることを目的として、この夏帰国した大学生同士の経験シェア+話し合いができる座談会を実施しました。


全てのリベラルアーツ大学や総合大学に一般化するのではなく、あくまでメンバー個々の経験として、多角的な視点を踏まえてより自分にあった大学を選択するための参考にしてください。


参加者プロフィール

<リベラルアーツ>

Amu[この記事の執筆者]:The College of Wooster(オハイオ、2000人)

Yuka:DePauw University(インディアナ、2000人)

Kazuki:Oberin College(オハイオ、3000人)

全員1年以上の海外留学経験はなく、受験時からリベラルアーツ大学志望。受験時は専攻が全く決まっていませんでした。Class of 2021。


<総合大学>

Shun:Univetsity of Michigan Ann Arbor(ミシガン、45,000人)

高校生の時に1年間アメリカに留学。受験時は物理専攻予定だったが、現在は分子生物学専攻志望。Class of 2021。


Eddy:The George Washington University(ワシントンD.C.、25,500人)

高校生の時に1年間ニュージーランドに留学。受験期はリベラルアーツ志望だったが、総合大学に進学を決めました。


Yuki.B :Stevens Institute of Technology(ニュージャージー、7000人、遠隔参加)

留学経験はなく、受験時はリベラルアーツ志望だったが、総合大学に進学。

*以下、リベラル大生であれば(リ)総合大学生であれば(総)と名前の横につきます。


実際に学生へのサポートが厚いのはどっち?

学校ごとに差はあるものの、やはりリベラルアーツ大学の方が、留学生を対象にしたサポートは厚い傾向があるようです。


Yuki.B(総)は、学期の初めはオリエンテーションで先輩にいろいろ聞けたけれど、その後は自分でどこかの団体入ったり、先輩と仲良くなったり、先生のところに足を運んだりして、情報を集めたと言います。


同様にギャップ生のEddy(総)は、ビジットの際に教授とのアポイントメントやスケジューリング、空港への送迎までしてくれたリベラルアーツ大学と、完全予約制のプログラムに参加できなかった総合大学での違いを感じたそう。


しかしそこで彼は、「そもそも手厚いサポートは必要か」という疑問を持ち始めました。


社会では、締め切りに合わせて申し込むというのは当たり前であり、意向を伝えただけで他人が計画を立ててくれるということはありません。


サポートがありすぎるというのは、甘えでは?と先輩に投げかけました。

最初に答えたKazuki(リ)は、留学生用のサポートではないが、カウンセリングは特に重要だと主張しました。


実際、Kazukiはほとんど毎週カウンセリングに駆け込んだそう。


筆者のAmu(リ)が一度もカウンセリングを使わなかったように、スケジューリングが得意かどうかや、ストレスを一人で抱えてしまいがちかどうかなど、個々の性格によってカウンセリングの必要性は変わってくるでしょう。


しかし、特に初めての学期は、新しい文化での暮らしということもあり、今まで経験したことがないほどのストレスを感じます。


そこでカウンセリングに頼ることは、甘えではないと私は思うので、カウンセリングの充実度は、学校選びの際に意識しても良いかもしれません。



一方でYuka(リ)は、「甘えちゃうというのは半分ほんと」とeddyの考えを肯定しました。


というのも、ライティングセンターや教授に頼ればいいやと考え、ペーパーを中途半端な状態にしてしまうことがあるそうです。


しかし同時に、リベラルアーツ大学であっても、能動的に動かなければサポートは受けられないため、教授にアクセスする簡単さが総合大学とリベラルアーツ大学の違いだと主張します。


総合大学では教授と話すのに長い時間待たなければいけないが、リベラルアーツ大学では人数が少ないからこそ、毎日2時間でも話し込むことができる。それは大きな違いでは?と投げかけました。


それを聞いてEddy(総)は、少しサポートを得るための労力がかかるとしても、総合大学の方が得るものの質は良いのではないかと言い返します。


たとえば、総合大学には実務経験や受賞履歴がある教授が多いため、コネや質問の回答がより良くなるという意見です。


専攻によっても、教授の経験や実務経験がどれほど重要かは変わってくるため、教授にコミットできる量か質かの違いなのかなと筆者のAmu(リ)は思いました。

そして最後に口を開いたShun(総)は、これまでとちょっと違った考え。


留学生への特別なサポートは特になかったが、向こうに行って日本人としてではなく学生としてみてくれる立場に立てたのが嬉しく、留学生のサポートがもっと欲しいと思うことはなかったそう。


確かに、「私たちは留学生を現地生と同じくらい優秀な学生としてみるから、特別なサポートを用意したりしないんだ。」と断言する大学のスタッフもいると、国内の留学カウンセラーの方に聞いたこともあります。


Yuki.B(総)が言っていたように、規模が大きいほど自分で動かないと授業だけで終わってしまうという危機感はある。


でも自分でアクションを起こせば、教授の研究への参加、学部生用の研究プログラム、ソーラーカーで世界大会に出るクラブでの活動など、大学院とつながっている分、チャンスが無数にあると感じるそうです。


リーダーシップが鍛えられるのはリベラルアーツ?総合大学?

アカデミックはもちろん、課外活動も重要。座談会では、特にリーダーシップを得るための経験についての違いで盛り上がりました。


Kazuki(リ)Yuka(リ)は、一年生だった昨年度に、クラブの代表になったり、新たなクラブを立ち上げたりといった経験を積んだそう。


そんな経験を持つ二人は、リベラルアーツ大学だと、大学や町の中で学生が主役になれるチャンスが多く、かつキャンパス内で認識されるような運営をすることができると言います。


一方で、Eddy(総)は母体が大きい中でリーダーシップを取らないと、自信につながらないのではと話します。


それは、高校時代の課外活動で小さな団体のリーダーをしたが、大きな団体を動かす時には色々なものが変わるため、十分な自信にならなかったという自身の経験から。


そこで総合大学生のShunに課外活動の話を聞くと、クラブの規模の大きさから、彼は特にリーダーとしての課外活動はしなかったそう。


総合大学はやはりクラブも規模が大きく、基本的に3、4年生がリーダーになることが多いと言います。


ただ、1、2年生であっても同好会のようなもの(大学公認のクラブよりも簡単なもの)を設立することはできるとも言っていました。

一通りメンバーの経験を聞いたところで、座談会はそもそも大学でリーダーシップを学ぶとはどういうことかという話に移りました。


Eddy(総)は自分を「折れて成長するタイプ」と表現し、かつ大きな団体を動かす自信と経験が欲しいと考えているそう。


一方でYuka(リ)は、高校生の時に、計画を満足いくまで練ってからでないと動けない行動力の無さが嫌だったため、リベラルアーツを選んだと言います。


実際、イベントを開催するにしても規模が小さいため、多少失敗してもなんとかやりきることができたそうです。


Shun(総)は、やる気があればリベラル・総合大学どちらでもリーダーシップは鍛えられると言っており、それも一理あるとは思います。


Yuka(リ)の、リーダーシップは社会になってからでも身につけられるし、学業に専念することをまず考えたほうがいいという意見も。


ただ入学する大学を選ぶ時点で、そもそもリーダーシップを将来どのように活用したいのか、どの程度の規模に対して、どういう目的で使いたいのかを考えて、適する場所に行くのが一番いいと私(Amu、リ)は思います。


それはリーダーシップに限らず、英語でもタイムマネジメントでも、漠然と「〇〇が欲しい」ではなく、自分の未来と重ねてできる限り具体的に分析しておくのが、行った後に後悔しない学校選びのポイントということになるのではないでしょうか。


たとえば、英語力をつけるといっても、大勢の前で人を動かすスピーチができるようになりたいのか、どんどん話題が移り変わる少人数での議論についていけるようになりたいのかで、目指す大学は変わってきますよね。


それはリベラルアーツ大学と総合大学というカテゴリーの違いに限らず、一校一校が自分に合っているかを判断する上でも、使える大切な指針になると思いますよ。

人間関係はとにかく違いが大きい!

最後の議題は人間関係。やはり学生・教授の数が桁違いなため、人付き合いや新しい友達の作り方が、リベラルアーツ大学と総合大学では変わってきます。


例えばKazuki(リ)は、New York Universityを受けなかったことを後悔しているそう。


NYUはリベラルアーツ学部の質が良いことでも有名で、かつ田舎のリベラルアーツとは違って気分転換がいくらでもできるニューヨークにキャンパスがあるためです。


校内にまだ知らない人はいるものの、全体の学生数はやはり少ないと感じ、さらにその少人数も同じ大学を選んでいるという時点で出身や興味、趣味に偏りを感じるそうです。



一方Shun(総)は、確かにいろいろな人に出会えるものの、特に授業で知り合った人は一学期間のみの関係になってしまうことが多いと言います。


その点リベラルアーツ勢は、同じ授業を取ったことがきっかけで知り合い、今も仲良い友達がいるというので一致しました。


ただやはり、総合大学で出会える人は、本気でオリンピックを目指している人から自前の3Dプリンターを使っている人まで様々で、かつみんな何かを極めている人だと感じるそうです。


また、Shunはたまたまキャンパスの外れにある30人程度の寮だったため、寮内でたくさん友達を作れたと言います。


その寮の友達に加えて、一緒に勉強をする友達、ご飯を食べる友達のように友人が入れ替わっていくような生活を送っているそうです。



そして、総合大学だからといって必ずしも多様性があるとも限らないよう。


Yuki.B(総)は、ニューヨークに近い大学のため、現地の生徒はニューヨークから来た人が多く、出身だけでなく人種などにも偏りを感じると言います。


留学生はエンジニアリングを学んでいることもあり、中国人やインド人に偏っているそう。ヨーロッパ出身の人は特に少ないそうです。


その点Amu(リ)の大学は多様性を意識し、意図的に留学生やマイノリティーの人種である生徒を受け入れていて、あまり偏りを感じません。

また、Yuka(リ)やAmu(リ)は、リベラルアーツ大学の教授との距離の近さの例としてよく語られる、教授に誘われてクラスメイトとご飯を食べるという経験もしました。


しかし、そうして人の温かさや深い関係を実感しつつも、その閉塞感が辛くなることもありました。


リベラルアーツ生が、苦手な人ができても必ず食堂出会わなければならないという話が、12個もの食堂がある総合大学では通じないというのは、想像に難くないですよね。


普通に驚いてしまいました。12個って…。


座談会立案者Eddyの感想

 大学とは、あなたが約4年間を過ごす場所です。後輩から相談を受ける過程でその重大さを感じ、リベラルと総合大学のどちらを勧めれば良いか決めきれずにいました。


 今回の素晴らしい座談会で、リベラルと総合大学の違いをより詳しく理解できました。サポートの厚さはやっぱり違うし、行動の起こしやすさも違う。しかし、リベラルの中でも差異はあるし、総合大学の中でも差異がある。


 ですから結局、後輩に「絶対こっちの方がいい」とは益々勧めにくくなってしまいました。


大学選びの理想とはやはり、現地に本人が赴いて、納得の行くまで情報収拾することではないかと思っています。私はキャンパスビジットのおかげで、自らの中に確信を持つ事が出来たからです。


2018/07/06 amu


座談会で出てきた話題について詳しく書かれている記事もあります。

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