「カタールにキャンパスビジットしてくる」。
そう言った時、私の母は全力で私を止めようとしました。そもそもカタールに良い大学など無いだろう、なぜそんな危険な国にわざわざ行くんだと、もはや怒られました。
私もカタールについて無知だったので調べて見たところ、実は日本より安全ランキングが高かったことに驚きました。外務省からの危険情報もなく、それらの証拠を見た母は最終的に「一緒に行きたい」とまで言い出しました。
ネタバレすると、カタールには国際大学の集う秘境があります。その知られざる教育都市には、異様なほど新設で大規模な設備が揃っていました。
中東やアラブに興味のある後輩のために、私が見たNorthwestern Universiry in Qatar(NUQ)、ドーハの教育都市、そしてカタールをご紹介します。
なぜカタールにある大学へ受験したのか?
あなたがタイトルを見て思う事はきっと、「なぜカタールにある大学を受験したのか?」でしょう。当たり前だと思います。
私にとってもカタールなんて全く身近な存在ではありませんでした。もし一年前の私がこの記事を読んだのであれば、同じ疑問を抱く事でしょう。
私がNorthwestern University in Qatar(略称:NUQ)を知ったのは、Northwestern大学の本キャンパス(シカゴ)へ早期出願し、不合格通知を受け取ってからでした。
アドミッション担当者から不合格通知と共に、NUQの案内メールが来たものの、当初は特に興味を持ちませんでした。しかし、詳しく見てみるとかなり魅力的な大学だったのです。
(NUQのジャーナリズム学部の施設)
5年前に設立されたため、生徒数も学部数も少ないものの、ジャーナリストを目指す私にとってはジャーナリズムが学べ、中東最大メディアのアルジャジーラが近くにある環境には興奮せざるを得ず、出願することにしました。
ですから、NUQを受験した理由は、特に誇れるものではありません。簡潔に言えば本キャンパスに不合格だったからです。しかし、運良くカタールキャンパスには合格し、キャンパスビジットに招待して頂き、現地をみることができました。
ですので、興味を持った後輩のためにカタールにある大学都市を紹介します。そこには、ジャーナリズムだけでなく、それぞれの分野で世界の最高峰を誇る大学が集結しています。中でも、アラブ文化の勉強などに興味がある方には最適でしょう。
より詳しく知りたい方は、是非シェアブロードにご連絡ください。
※アメリカでのキャンパスビジットのコツについてはこちら
NUQってどんな大学?
カタールにある大学なんて、普通は想像つきません。私の感想をつらつら書く前にNUQの概要をまずはご紹介します。
Northwestern Universityの本キャンパスはシカゴにあり、アメリカでも名のある有名大学です。そこから派生した分校の一つがNUQとして存在しています。
①NUQのロケーション
(Google Mapのスクリーンショット)
カタールの首都、Dohaから車で20分のEducation Cityの中にあります。
Education Cityの中には他にも8大学が存在し、2018年4月に徒歩圏内で国立図書館がオープンしました。
Education Cityに集まる大学では、それぞれで有名な学部が用意されています。Education Cityの最大の魅力の一つは、他学部ではなくもはや他大学の授業であっても受講でき、単位が取れると言うところです。
②Education city in Qatar大学リスト
- Virginia Commonwealth University in Qatar School of the Arts (VCUQ)…アートどデザイン
- Weill Cornell Medical College in Qatar (WCMC-Q)…医療
- Texas A&M University at Qatar (TAMUQ)…化学、化学工学
- Carnegie Mellon University in Qatar (CMU-Q)…生物化学、計算生物学
- Georgetown University School of Foreign Service in Qatar (SFS-Qatar)…外交分野
- Northwestern University in Qatar (NU-Q)…ジャーナリズムとコミュニケーション
- HEC Paris began offering graduate executive education programs…キャリアプログラム
- University College London UCL Qatar…考古学、保護学、文化遺産学、博物館学
- Hamad Bin Khalifa University (HBKU)…科学、工学、イスラム学、社会科学、法律学、公共政策学
③数字で見るNUQ
- 一学年の人数…約60-90人
- インターナショナル生徒率…約90%
- 合格率…7.5%(2017年度、職員から聞いた情報)
なぜ私はNUQではなくGeorge Washington Universityを選んだのか?
(徒歩圏内にある国立図書館)
ここまでNUQを数字などから紹介してきましたが、あまり「影」の面を見せていないと思います。良い大学に囲まれ、良い機材があり、良い施設がある。しかし、光と影は相互依存関係にあります。
ここからはNUQの影も交えて、なぜ私が最終的にGWUを選んだのかをご紹介します。
(Dohaの景色)
世界一GDPが高く、世界の大学が集う都市を擁し、世界から学生が来るQatarのEducation City。特にNorthwestern in Qatarには新しく大きいスタジオがあり、高級な機材も揃っている環境は、ジャーナリストを目指す私にとって魅力的でありました。
例え夢が政治家に変わったとしても隣にはGeorgetownがあり、夢がITエンジニアに変わったとしてもCarnige Mellonがありました。
だたし、上記の魅力のみで大学を決めてしまう事には、疑問を抱きます。大学とは何の為に行くのでしょうか?
私は決して、理論を学ぶ為だけにあるとは思いません。理論と実践を組み合わせ、社会との融合も図りながら実験する為に、4年間という期間があると考えています。
私の夢はジャーナリストになる事で、カメラマンやアナウンサーになることではありませんでした。NUQでスキルは磨けれど、大学外のリソースで言えば比較できないほどDCが優れていました。
例えば、ドーハに中東の通信社はあれど、DCには世界中から通信社が集まっていました。他にもDCには世界で有名な調査報道団体の拠点があったり、ジャーナリズムの博物館であるNewsumまであります。ですから、インターンする機会や、学ぶ機会がきっと多いと思ったのです。
また、NUQには卒業生がまだ一代しかいません。一つ学年も100人未満と非常に少なく、世界の価値観を広く学び、人々の多様な考え方に触れたかった私にとっては残念な所でした。
そして、私はインターネットから情報を得るのが得意ではありません。DCにおらずとも、世界の最新状況は今やインターネットでわかるかもしれません。しかし、単純に私は現地にいた方が刺激をもらえて、より吸収できると思ったのです。
もちろん、中東の文化などを学びたいと言う人がいるならば、Education City in Qatarはこの上ない最高の場所でしょう。基本的にはCommon Appを使用する他の大学と変わりませんので、興味のある人はぜひ出願してみてください。
大学都市としての急成長具合で言えば、世界の何処もEducation City in Qatarには勝らないでしょう。個人的には、今後の発展に非常に期待しています。
もっと知りたい、という方はいつでもご連絡ください!(share.abroad.2021@gmail.com
)
2018/05/18 Edy
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