カールトンカレッジは三学期制のリベラルアーツ大学。
初めての学期、先輩はどんな授業を取ったのか。またリベラルアーツ大学の授業は実際どんな雰囲気なのか。
一年の最初の学期である秋学期の、授業内容や授業形式について、かめのゆがていねいに説明しています!
PSYC110
心理学のイントロの授業。生徒数は40〜50人程度。
心理学の基礎を学ぶための授業で、テキストに沿って基本的な学習要項をカバーします。この授業はより難易度の高い授業を受ける上で必修であるためとりました。
例えば、知覚について学んだ時は、私たちが感じている食べ物の「味」がいかに視覚に影響されているかを実証するために、目をつむった状態でSkittlesの味を判別できるか、といった簡単な実験を行いました。
また、社会心理学について学んだ時は、人の「パーソナルスペース」について実証実験をするために、個室で勉強中の見知らぬ人のすぐ隣に2分間座って見て反応を観察して見たこともありました。
イントロの授業は教授によって全く教え方や方針が違うようですが、私の教授は人数が多くても出来る限り、生徒が主体性を持って授業に参加できるよう工夫してくれました。
課題は、毎回新しい章を授業で扱う前にその章の小テストが行われたため、予習をしっかりする必要がありました。
また、movie paper という、授業で扱った精神病の患者を主人公にしている映画を鑑賞し、その映画での病気の描写が正確であるのか、理論付けて書くレポートが2つありました。
最後には、research paper という、ネット上にすでに結果が出ている実験について自分なりの分析をし、まとめたものを提出しました。
LATN101
ラテン語のイントロの授業。生徒数は8人。
カールトンでは、卒業条件として言語の履修があります。私の場合、すでに日本語がある程度できるため言語の授業は免除されているのですが、興味本位でラテン語をとっています。
101は入門レベルなので、毎日授業があります。学ぶ内容は基礎的な文法の活用や、単語などがあります。毎日授業があるため毎日課題もあり、かなりの頻度で小テストやテストがあります。
RELG100
A&Iセミナーという、ライティングに重きを置いた一年生1学期必修の単位。
私は宗教の、”Global Pursuit of Happiness” という授業でした。生徒数は20人程度。
この授業では主に、世界の”Happiness”の由来について学んだり、異文化における認識の違いを比較したり、分析したりしました。
例えば、”Happy”という単語は元々は稀に起きる”lucky”な経験を意味していたにも関わらず、Thomas Jefferson の独立宣言で ”Pursuit of Happiness”というフレーズが普及したため、人々は自らの自由と幸せは自分の力で手に入れるものだと考えるようになり、”Happy”という言葉も「一瞬の幸運」というニュアンスではなく、より長期的な状態を表す言葉になった、と記述した論文を読みました。
また、課題の一つに、母国語における”Happiness”という意味の単語について、由来や意味を調べるものがありました。
私が日本語の「幸せ」について調べたところ、もともとは「為合わせ」と書き、これが当て字で「仕合わせ」になったこと、また、もともとの意味は現在の意味とは違い、ものごとの「成り行き」や「結果」を意味していたことを初めて知りました。
他にも、様々な哲学者による”Happiness”の解釈の違い、西洋文化と東洋文化の”Happiness”について、異文化間で”Happiness”を比較することの限界、例えば日本が先進国の中でもランキングが低いと話題の「世界幸福度ランキング」(World Happiness Report)の正当性について学びました。授業形態は基本的に円になって議論形式でした。
MUSC250J
ピアノのマンツーマンの授業。週1回。
Jというのは、学期の最後にJuriesといって音楽部の教授の前で演奏し、評価を受けるというものです。
また、Studio classes という、同じ教授についている生徒が集まって持ち曲を演奏し、フィードバックをしたり、人前で演奏することに慣れるようにする日が学期中に3、4回あります。
リサイタルは希望者が出演します。練習スタジオはとても充実していて、グランドピアノスタジオ(中にはスタンウェイも!)が10室くらいあります。
音楽の授業に関しては、初心者で新しい楽器を始める人も多く、様々な楽器を学ぶことができます。
2018/01/02 かめのゆ
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